2014年12月7日日曜日
DoubleClick Ad Exchange
DoubleClick Ad Exchange はリアルタイムのデジタル広告市場で、サイト運営者、代理店、広告ネットワーク、第三者技術プロバイダを結び付ける役割を果たします。
より具体的には、DoubleClick Ad Exchangeは、広告主や広告代理店(バイヤー/購入者)と、サイト運営者やアドネットワーク(セラー/販売者)が、ディスプレイ広告の配信枠をインプレッション単価で売買できるプラットフォームサービスです。売買はリアルタイムで入札されるオークション形式で行われます。
バイヤー側は複数のサイトにまたがって最適なユーザー・タイミングで広告を配信でき、セラー側にとっては余っている広告在庫の販売機会を拡大できるといったメリットがあります。
DoubleClick Ad Exchange は、広告ネットワーク、企業をクライアントに持つ代理店、新興のテクノロジー プロバイダなどが、膨大な数のサイトを対象にリアルタイムで広告を掲載して投資収益率を最大化できる広告マーケットです。
リアルタイム入札の仕組み
セラー側の媒体にインプレッションが発生した瞬間に、DoubleClick Ad Exchangeに対して必要とするバイヤーがいないか問合せが発生し、入札受付を開始。最も高い入札額をつけたバイヤーの広告が配信されるという仕組みです。
利用に際してバイヤー側は、どういったインプレッションに対して広告を配信したいのかを指定してキャンペーンを設定します。地域や媒体のジャンルといったターゲティング、掲載基準、配信する広告クリエイティブ、最高入札価格などが設定内容となります。オープンなAPIも提供されるため、バイヤー自身やサードパーティの持つデータ・技術を利用した、ターゲティングや売買も可能です。
広告主や広告代理店(バイヤー/購入者)にとっての利用メリット
DoubleClick Ad Exchange は、Google ディスプレイ ネットワークのパートナーとして広告の売買を扱うリアルタイムのマーケットプレイスで、インターネットでのディスプレイ広告掲載において、AdWords とは別の市場を広告主に提供するものです。ディスプレイ ネットワークを掲載対象とするキャンペーンでは、自動的に、AdWords のガイドラインに適合する Ad Exchange サイトも利用することができます。
これまでカバーできていなかったアクセス数の多いウェブサイトからユーザーを取り込める可能性があります。Ad Exchange のサイトに AdWords 広告を掲載することは、従来リーチできていなかった新しいユーザーを呼び込むのに役立ちます。
① 市場原理が働くため、適正価格の把握と取引が可能。
② 媒体1社1社と調整が必要だった従来の取引と比べ、幅広いメディアの購入が可能。
③ オーディエンスデータの活用。
④ 必要な在庫を1インプレッションずつ購入可能。効果がなれば、すぐやめることもできる。
⑤ どのサイトに配信されても、グーグルから一括で請求されるため、業務フローが改善される。
購 入者は、購入する広告枠をターゲットや入札単価、予算、フリークエンシー キャップなどで定義して、投資収益率を高めることができます。ターゲットとするオーディエンスを定義することで、必要な広告枠を必要な場合にのみ購入でき ます。真に開かれたリアルタイムの入札システムにより、企業独自のデータや入札アルゴリズムを活用して、メディア費用をきめ細かく管理できます。
大規模運用をしていない購入者でも、Google ディスプレイ ネットワークを通じて Ad Exchange を利用することができます。Ad Exchange のサイトは Google ディスプレイ ネットワークの一部として、AdWords アカウントを通して購入可能です。
Invite Media を使用すると、1 つの管理画面で複数の広告取引市場を対象に広告枠をリアルタイムで自動購入することも可能です。また、リアルタイムで入札と最適化を行う Invite の Bid Manager を使用すると、掲載結果を向上できます。
サービスの背景
サービスの背景としては、広告支出のうちアドテクノロジーやメディアレップ等の周縁産業に60%が流れて行ってしまっているという効率の悪さ、様々な媒体・フォーマット・デバイスが存在し、最適なユーザーに最適なタイミングでメッセージを配信することが難しくなっているという複雑な状況、効果測定の困難さなどが挙げられます。
こうした課題に対して、DoubleClick Ad Exchangeはオープンな技術を用い、何千何万という広告主とWebサイトのやり取りをとりまとめることで単純化し、標準化された一定指標による効果測定を可能して、ディスプレイ広告市場の一層の活性化を目指しています。
海外では既に各種アドエクスチェンジサービスが活発化しています。その中でもDoubleClick Ad Exchangeは世界最大のオンライン広告の取引所といえます。
同サービスは、リアルタイム入札という特性上、運用が可能な広告主などは限られています。そのため、大規模な広告主や大手代理店に対して、グーグルの営業部門が紹介を行っているそうです。
<参考資料>
DoubleClick Ad Exchange と AdWords の関係
柔軟性の高いメディア購入
グーグル、ディスプレイ広告枠の売買市場「DoubleClick Ad Exchange」の国内提供を開始、8月には取引スタート